亡くなった方に配偶者の方やお子様がいらっしゃれば、その方が故人の亡くなった後の事をやってくれますが、おひとり様の場合はそのような方がいません。
そのような場合に準備しておいた方が良いのが「死後事務委任契約」です。
死後の事務
死後の事務には、おおよそ下記があります。
・死亡後に病院に行き、遺体の引き取り
・葬儀や埋葬
・遺品整理
・賃貸住宅や電気・水道・ガス・電話といったライフラインの解約
・入院費や家賃などの支払い
・クレジットカードなどの解約
これらの事は誰かがやらねばならない事ですが、身寄りがいないと言っても市区町村ではやりませんので、誰かに依頼しておく必要があります。
遺言書
遺言書には財産の帰属先を明記します。
おひとり様の場合で甥や姪がいればその方に全財産を遺贈としたり、日本赤十字やUNHCRといった慈善団体に遺贈、市区町村に遺贈といったことをしておけば大丈夫です。
あとはしっかりと頼りになりそうな遺言執行者を選任しておけば、その方が財産の名義変更などをおこなってくれます。
遺言との関係
上記の通り遺言書を作成すれば財産に関する事は記載しますので、財産の帰属先は決まっています。
しかし雑多な遺品の整理や、各種契約の解約、未払い料金や入院費用の支払いまでは含まれません。おひとり様が遺言書を作成しておいても、この点の手続きが宙に浮いてしまします。
相続人のいない財産の場合は国庫に帰属しますが、それ以外の事務はだれもやってくれません。
身寄りのいない方は、死後事務委任契約を生前に結んでおくことが大切です。
公正証書
このように遺言書と死後事務委任契約は補完関係にありますので、おひとり様で亡くなった後の事が心配なかたは、公正証書にて遺言書と死後事務委任契約を作成すれば心配はなくなります。
遺言書には遺言執行者を死後事務委任契約の相手方にしておく必要があります。
また生前に認知症になった場合に備えて、任意後見契約も一緒に作成しておくとより安心です。