遺言書は、裕福な方の物と思われがちですが、そうでもありません。

 子供がいらっしゃらないご夫婦の場合、子供がいるが兄弟仲が悪い場合、内縁の妻がいらっしゃる場合、家族が複雑な場合、などのいろいろな場合があります。

 このような場合の、のちのちのトラブルを防止するためにも、遺言書は必要になります。

 もちろん、法定相続ではない遺言者の方の意思を遺言書に記載し、そのご家庭に沿った形での遺産相続を行うという本来の目的もあります。

 遺言は、満15歳以上になれば、いつでも作成することができます。死期が近づいた、年を取ってから、という理由で作成するという物と思われがちですが、人間はいつ・どこで何が起こるかわかりませんから、残されたご家族同士で争うような事を避けるためには、元気なうちに作成するのも良いと思われます。

 遺言は、訂正・取り消しは適正な方式を踏めば、いつでも何回でも可能ですので、作成後に状況が変わり、遺言内容を変える必要がててきても、変更・撤回が可能です。

 遺言で法的効力を発生させる事ができるのは、下記になります。

  ・法律上の婚姻関係にない男女間に生まれた子(非嫡出子)の認知

  ・未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定

  ・遺贈・寄付行為

  ・遺贈の減殺方法の指定

  ・相続人の廃除・廃除の取り消し

  ・相続分の指定、指定の委託

  ・特別受益者の持戻しの免除

  ・遺産分割方法の指定、指定の委託

  ・遺産分割の一定期間の禁止

  ・共同相続人間の担保責任の指定

  ・遺言執行者の指定、指定の委託

 いろいろとありますよね、遺言者の最後の意思表示ということで、自分亡き後の財産や家族関係についての意思表示となりますので、大切にしたいところです。

 遺言書の作成方法として、大きく分けて、自筆証書遺言と、公正証書遺言の2つがあります。

 遺言書の作成をしておくと、遺言者が他界したあとのトラブルを避けることができますが、自筆証書遺言でしたら、要式をしっかりと作っても、検認をせずに開封したなどで法的に有効にならない場合があります。

 トラブルを避けるという意味では、公正証書遺言がベストとなります。

 ぜひ、公正証書遺言を作成して、残された方にご自分の意志を伝えてはいかがでしょうか?

 

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